生成AI研修の選び方【2026年】|法人研修・個人スクールの確認項目と助成金の8月の変更【漫画でわかる】
社員にAIを学ばせるなら、研修を選ぶ前に、社内ルールと「入れていい情報」を決めておくのが近道です。ルールがないまま研修を受けると、学んだ使い方が会社の決まりと合わず、現場で使えなかったり、逆に危ない使い方が広まったりします。
学ばせ方は、①社内勉強会 ②法人向けの研修 ③個人向けのスクール(社員が自分で)の3つです。この記事では、その選び方と、研修を選ぶときの確認項目、助成金の調べ方、研修のあとに続ける仕組みをまとめます。
この記事で分かること
- 社内勉強会・法人向け研修・個人向けスクールの違いと、向いている会社
- 研修を選ぶときの確認項目(印刷して使えるチェック表つき)
- 2026年8月3日に変わった助成金の要点と、研修のあとに続ける仕組み
『ミナト精密のAI係』「全員スクールに入れるぞ」
漫画の内容を文字で読む
- 1コマ目:事務所。パンフレットを広げる港社長「森田くん!全員AIのスクールに入れるぞ!」
- 2コマ目:かおり「社長、その前に、会社のルールが先です」
- 3コマ目:窓辺のホウ先生「道具の使い方より、使ってよい範囲から教えるんじゃ」
- 4コマ目:紙を見せるかおり「研修の中身も、ルールに合わせて選びましょう」
結論:研修より先に、ルールと「入れていい情報」
結論:「使っていいツール」「入れていい情報」「困ったときの相談先」を先に決めてから、研修を選びます。研修の中身を、そのルールに合わせて選べるからです。
研修会社やスクールでは、特定のツールを使って教えることが多くあります。会社で認めていないツールの使い方を学んでも、仕事では使えません。また、研修の中で「自分の仕事の資料を入れてみましょう」と言われたとき、どこまで入れてよいかが決まっていないと、受講した人が困ります。
ルールの作り方とテンプレートの全文は、生成AIの社内ルールはA4一枚でいいにまとめています。
入れていい情報の線引きは、AIに入れていい情報・ダメな情報(早見表)で説明しています。
3つの学ばせ方:社内勉強会・法人向け研修・個人向けスクール
結論:まず社内勉強会で「ルールと基本」を全員に。深く学ぶ人だけ、法人向け研修や個人向けスクールを使う、という組み合わせが、小さな会社では始めやすい形です。

| 社内勉強会 | 法人向けの研修 | 個人向けのスクール | |
|---|---|---|---|
| どんなものか | 社内の担当者が、ルールと基本の使い方を30分ほどで説明する | 研修会社が、会社の希望に合わせて講座を組む | 社員が自分で申し込み、オンラインなどで学ぶ |
| 費用 | 時間だけ(教える人・聞く人の勤務時間) | 会社が払う。人数・日数・内容で変わるので見積もりで確かめる | 本人か会社が払う。コースで変わる |
| 向いている会社 | まず全員にルールと基本を伝えたい | 部署ごとの使い方まで、まとめて教えたい | 学ぶ意欲のある人を、個別に後押ししたい |
| 手間 | 資料づくりと準備 | 研修会社との打合せ、日程の調整 | 少ない。ただし学んだ内容を会社が把握しにくい |
社内勉強会は、30分で十分に始められる
最初の一歩は、社内勉強会です。内容は、①社内ルールの説明 ②入れていい情報・ダメな情報 ③会社が認めたツールの基本の使い方 ④困ったときの相談先、の4つで足ります。実際に触ってもらうときは、架空の会社名・数字で作った練習用の文章を使います。
『ミナト精密のAI係』「わしにも使えるのか」
漫画の内容を文字で読む
- 1コマ目:会議室。ホワイトボードの前のかおり「今日は30分だけ。ルールと、基本の使い方です」
- 2コマ目:腕を組む大石さん「……わしにも使えるのか」
- 3コマ目:大石さんの横でノートパソコンを見せる佐野くん「日報の言い回しを直すところから、やってみましょう」
- 4コマ目:棚の上のホウ先生「まずは、いつもの仕事の小さなところからじゃ」
教える人がいないときは、AIに詳しい若手に手伝ってもらう方法もあります。ただし、ルールの説明は担当者(総務・情シス)が行うと決めておくと、使い方と決まりがずれません。
研修・スクールを選ぶときの確認項目
結論:「何のツールで教えるか」「自社の資料を使うときの扱い」「実務の題材を使えるか」「費用の総額」を、申し込む前に確かめます。

申し込む前に、下の箱の8項目を、研修会社の資料や説明会で確かめます。助成金を使うなら、あとの3つも聞きます。印刷・コピーして、比べたい研修ごとに使ってください。
研修・スクールを選ぶ確認項目(研修の名前:____ 確認日:____)
研修会社に聞くときは、「研修で使うツールと、そのツールでの受講者の入力データの扱いを教えてください」「自社の資料を題材にする場合、秘密保持契約を結べますか」の2つから始めると、話が早く進みます。
法人向け研修と、個人向けスクールの例
結論:一番のおすすめ、はありません。「全員の底上げ」なら社内勉強会、「部署の仕事まで」なら法人向けの研修、「意欲のある人の後押し」なら個人向けのスクール、と目的で選びます。内容と料金は変わるので、資料や説明会で、上の確認項目を確かめてから決めてください。
ここで挙げるのは、確認項目に当てはめて検討するための例です。料金は、各社の公式サイトの表示を2026年10月11日に確かめたものです。法人向けと個人向けは料金の単位が違うので、分けて載せています。順位は付けていません。
法人向け
| 名前 | 向いている会社 | 受け方 | 料金(公式の表示) |
|---|---|---|---|
| バイテック法人AI研修 | 法人。1名から | eラーニングとハンズオン。月2回のオンライン面談 | AI業務効率化研修 1名200,000円(サポート2か月)/AI業務自動化研修 1名300,000円(サポート4か月)。税込みか税別かは公式に書かれていない |
| DMM 生成AI CAMP 学び放題(法人向け) | 20名から | 動画、毎日のライブのワークショップ(60分)、管理画面 | 問い合わせ |
個人向け
| 名前 | 向いている人 | 受け方 | 料金(公式の表示) |
|---|---|---|---|
| バイテックAIスクール | 個人。公式では会社員が多く、25〜40代が中心 | オンライン。動画は期限なしで見られる | 一括(税込):2か月148,000円/4か月228,000円/6か月298,000円 |
| DMM 生成AI CAMP 学び放題 | 個人 | 動画、AIのチューター、週1回のライブのゼミ(1つのゼミは3か月) | 12か月一括 162,800円(税込)。月払い・6か月のプランもある |
| ライフシフトラボ(AIコース) | 40〜60代向け | Zoomで完全オンライン。3か月・全10回(各2時間) | 公式サイトに書かれていない(個別説明会かセミナーで案内) |
- バイテック法人AI研修とDMMの法人向けは、公式サイトで人材開発支援助成金が使えると説明しています。ただし、対象になるかは労働局が決めます。DMMのような定額制は扱いが変わることがあるので、労働局に確認してください
- eラーニングを含む研修(バイテック法人AI研修の「eラーニングとハンズオン」など)を事業展開等リスキリング支援コースで申請する場合は、8月3日以降の計画届から「eラーニングは1年度に1回」の枠に入ります(下の助成金の節)
申し込むかどうかは、資料や説明会で中身を確かめてから決めましょう。
助成金は、厚生労働省の公式ページで確かめる
結論:研修の費用には、厚生労働省の「人材開発支援助成金」が使える場合があります。条件や金額は変わるので、研修を始める前に、公式ページと都道府県の労働局で確かめてください。

厚生労働省は、人材開発支援助成金を、事業主が雇っている人に、仕事に関係する専門的な知識や技能を身につけさせるための訓練を計画に沿って行った場合などに、訓練の経費や訓練中の賃金の一部などを助成する制度、と説明しています。2026年10月11日の時点で、公式ページには「人材育成支援コース」「人への投資促進コース」「事業展開等リスキリング支援コース」などのコースが載っています。
調べるときの順番は、次のとおりです。
- 公式ページで、コースと主な要件を見る
- 研修を始める前に、都道府県の労働局に相談する:計画届は、研修を始める日の6か月前から1か月前までの間に出します(eラーニングや定額制のサービスは、契約期間の初日の1か月前まで)。始めたあとでは間に合いません
- 研修会社の「助成金を使うと〇円」という試算は、参考として見る:最後に決めるのは労働局です
2026年8月3日から、AI研修の扱いが変わった
AI研修でよく使われる「事業展開等リスキリング支援コース」は、8月3日以降に出す計画届から、次の2点が変わりました(厚生労働省「事業展開等リスキリング支援コースのご案内」令和8年8月3日版・変更点のリーフレット。2026年10月11日確認)。
- どの仕事にも共通する(汎用的な)プロンプトの作り方を学ぶ研修や、DXの考え方を学ぶ研修は、対象外になりました。対象になる例として、営業担当者が生成AIで商品提案書の構成・文章・直し方を学ぶ研修が挙げられています。「AI研修」という名前ではなく、社員の仕事に直接つながる中身かで決まります
- eラーニングは、同じ社員につき1年度に1回までになりました(ほかの受け方と組み合わせたものも含む)
8月2日までに研修会社と契約・申し込みをしていた場合などは、前のルールを使う経過措置があります。また、このコースは令和8年度末(2027年3月末)までの時限措置です。
助成の割合は、中小企業の場合、研修の経費の75%と、研修中の賃金として1人1時間1,000円です(大企業は60%と500円)。1人あたりの上限があり、eラーニング・通信制・定額制のサービスには賃金の助成がありません。職務に直接関係する10時間以上の研修が条件なので、30分の社内勉強会はこの条件に届きません。
最新の条件は労働局で確認し、研修を始める前に相談してください。
「実質無料」の誘いには気をつける
厚生労働省は、「実質無料」「キャッシュバック」などをうたう勧誘や、AI研修とAIツールの導入をセットにして、ツール代も研修費として申請するような持ちかけに注意するよう呼びかけています。研修の経費は、支給を申請するまでに会社が全額を払うもので、AIツールの導入費を研修の経費に入れて申請することはできません。不正受給と判断されると、会社名の公表や、助成金の返還などがあります。
申請の手続きを代わりに行うのは、社会保険労務士の仕事です。「申請も無料で代わりにやります」という誘いにも気をつけましょう。
研修のあとに続ける仕組み
結論:研修は、受けたあとに使い続けてこそ意味があります。「記録する」「相談できる場所を作る」「3か月ごとに見直す」の3つで、学んだことを仕事に残します。
『ミナト精密のAI係』「研修のあと、だれも」
漫画の内容を文字で読む
- 1コマ目:事務所。佐野くん「研修のあと、使ってるの、僕だけかもしれません」
- 2コマ目:かおり「じゃあ月に1回、うまくいった使い方を持ち寄ろう」
- 3コマ目:大石さん「朝礼の5分なら、出られる」
- 4コマ目:窓辺のホウ先生「学んだら、記録して見直す。品質改善と同じじゃよ」

- 記録する:だれが、いつ、何を学んだか。ISMSを運用している会社なら、教育の記録にそのまま入れられます
- 相談できる場所を作る:うまくいった使い方や、迷った例を持ち寄る場(月1回、朝礼の5分など)。迷った例は、ルールの「入れていい情報」の例に足していきます
- 3か月ごとに見直す:社内ルールの見直しと一緒に、研修の中身や、次に学ぶ人を決めます。見るのは受けた人数ではなく、仕事で使えた例がいくつ出たかです
研修だけでは解けないこともあります。使う時間がない、上司が認めない、会社のツールのアカウントがない、などです。これは研修を増やすのではなく、ルールと職場の仕組みで解きます。
よくある質問
Q1. 研修の費用の相場は、どのくらいですか?
研修会社、人数、日数、オンラインか対面かで大きく変わるため、決まった相場は言いにくいところです。料金を公開しているところもあれば(上の表)、問い合わせでしか分からないところもあります。複数の研修会社から、同じ条件(人数・時間・内容)で見積もりをとり、総額で比べましょう。
Q2. 40代・50代の社員でも、ついていけますか?
日報の言い回しを直す、メールの下書きを作るなど、いつもの仕事の小さなところから始めれば、年齢に関係なく使えます。社内勉強会で基本をそろえてから、必要な人だけ研修に進むと、無理がありません。
Q3. パートさんや派遣の方にも、研修を受けてもらいますか?
同じ情報を扱うなら、少なくとも社内ルールの説明は受けてもらいます。派遣の方は、派遣元との契約で決まっていることもあるので、担当者が確認しておきましょう。
Q4. 研修で、自社の資料を使ってもいいですか?
社内ルールの「入れていい情報」の区分で判断します。取引先の図面や個人情報は使わず、架空のデータに置きかえるのが安心です。研修会社と秘密保持契約を結ぶかどうかも、先に決めておきます。
Q5. 社員が自分でスクールに申し込むのは、止めたほうがいいですか?
止める必要はありません。ただ、仕事で使うときは会社のルールに従うこと、会社が認めていないツールに会社の情報を入れないことを、あらためて伝えておきましょう。会社が費用を出す場合は、事前に相談してもらう決まりにしておくと、助成金の確認もしやすくなります。
まとめ:先にルール、次に学び方

- 研修の前に、社内ルールと「入れていい情報」を決める
- まず社内勉強会(30分)で全員にルールと基本を。深く学ぶ人だけ、法人向け研修や個人向けスクールへ
- 申し込む前に、扱うツール・入力データの扱い・実務の題材・費用の総額を確かめる
- 助成金は、研修を始める前に、厚生労働省の公式ページと労働局で確かめる。AI研修でよく使う事業展開等リスキリング支援コースは、2026年8月3日から、だれにでも使えるプロンプトの研修は対象外、eラーニングは1年度に1回まで
- 研修のあとは、記録・相談の場・3か月ごとの見直しで続ける
この記事を書いた人・運営者情報
- 執筆:現場のAIノート編集部(IT業界で長く働き、ISMSの導入と運用を回してきたメンバーが書いています。仕事で知った会社や取引先の情報は書きません)
- この記事でのAIの使い方:構成の下書きにAIを使い、厚生労働省の公式ページの内容は、人が原文を読んで確かめています
- 確認日:2026年10月11日
参考資料(2026年10月11日閲覧)
- 厚生労働省「人材開発支援助成金」 https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/koyou_roudou/koyou/kyufukin/d01-1.html
- 厚生労働省「令和8年度版 事業展開等リスキリング支援コースのご案内(詳細版)」令和8年8月3日版 https://www.mhlw.go.jp/content/11800000/001731978.pdf
- 厚生労働省「事業展開等リスキリング支援コース改正:令和8年8月3日からの変更点について」 https://www.mhlw.go.jp/content/11800000/001731966.pdf
- 厚生労働省「『訓練経費』は無料になりません」 https://www.mhlw.go.jp/content/11800000/001687554.pdf
- 厚生労働省「人材開発支援助成金 NO 不正受給(不正受給した事業主は公表されます)」 https://www.mhlw.go.jp/content/11800000/001731928.pdf
料金の出典(各社の公式。2026年10月11日確認)
- バイテック法人AI研修 https://biz.bytech.jp/ /助成金 https://biz.bytech.jp/grant
- バイテックAIスクール https://bytech.jp/
- DMM 生成AI CAMP 学び放題 https://genai.dmm.com/ /法人向け https://genai.dmm.com/business/
- ライフシフトラボ AIコース https://lifeshiftlab.jp/ai/ /特定商取引法に基づく表記 https://lifeshiftlab.jp/law
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